おおきなかぶ  〜ロシア民話〜

福音館書店

A トルストイ・著 / 内田莉莎子・訳 / 佐藤 忠良・画

とても有名なロシア民話です。

普通の昔話の決まり文句
むかし、むかし、あるところに…
というのが省かれていて

おじいさんが かぶのたねを まきました。
「あまい あまい かぶになれ
おおきな おおきな かぶになれ」

いきなり、こうやって始まっていますが、時代や年齢など、絵を見れば想像できるように、見事に絵が描かれています。

大きな甘いかぶに育ったものの…
かぶが抜けず、(困ったな、どうしよう?)と考えて、(そうだ!)と人を呼んでくる、そんな繰り返しの中で、子ども達は頭の中で、その度に(どんな人物が呼ばれてくるか…?)というのを予想しています。

そして、繰り返しの赤ちゃん絵本の基本形…
(予想できることと、予想を裏切ることの組み合わせ)は(和歌にある構成、つながりと変化・切れ)と同じで、裏切りの部分が大きな切れとなって現実から飛躍したファンタジーを作り出しています。つまり非日常を体験できる面白さでもあります。

それとともに、(予想すること、裏切ること)は子ども達の想像力を育てる、とても重要な要素となります。

この話も繰り返しの中で、おじいさん→おばあさん→まご→で次に(どんな人物が呼ばれてくるか?)と'予想したところで、裏切り、犬が登場。
その後は、猫→ねずみ と続きます。

今読んでいるページの絵を見ながら、前のページの場面をつなぎ合わせて考えて、これから捲る次のページの場面を予想する能力…これが赤ちゃんの頃から絵本の読み聞かせを続けることによって得られる想像力ですが、この能力が育っていない子どもは、話の世界に入っていくことができず、絵本に面白さを見出すことができません。

そういった意味で、この絵本は非常に構成が単純だけれども、その要素を満たすので2〜3歳の子を物語絵本に導くのに良い絵本だと言われています。

また、自分達と同じような、一番小さい、力のないねずみが加わったところで、かぶがぬける、というのも子ども達にとっては魅力的なお話なのでしょうね。

                    おおきなかぶ―ロシア民話

*ブログに絵本の森の文庫で読み聞かせした時のエピソードがあります。絵本の森 20070

 

 

 

 

 

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