『ヒロシ、君に英語とスペイン語をあげるよ』　北村崇朗／光世・著　　草思社

私が一番最初に読んだバイリンガル関連の本がこれでした。

日本に住み日本の幼稚園に通いながら、５〜６歳になるまでに、アメリカやメキシコの子ども達と同じように英語とスペイン語も話せるようになった著者の一人息子、ヒロシ君の15年間にわたる言語習得の成長記録です。

著者達は、それぞれ、言語関係を専門としているご夫婦ですが、生まれてくる子どもに英語とスペイン語を贈り物にしてあげようと夫婦で話し合って決め、様々な努力と工夫を重ねてきた経験から、とても具体的かつ実践的な内容の本です。

また、第１１章にて、著者が『それまでに聞いたことのある２ヶ国語教育や多言語教育の中で、一番よいシステムだと思う』として、カナダの言語教育システムを紹介しています。

＜目次＞

まえがき

第１章　　ダディ、サンタに電話したいんだ！

第２章　　言葉よりも前に音楽があった

第３章　　もっとも大切なのは話すこと

第４章　　赤ん坊との会話がこうして始まった

第５章　　僕が読んで聞かせた絵本や童話

第６章　　私は洋に贈る宝、それはスペイン語

第７章　　５歳のときのメキシコ旅行

第８章　　おばあちゃんが引き受けた日本語

第９章　　英語で読み書きができるとはどういうことか

第１０章　友達に恵まれた七里ヶ浜小学校の六年間

第１１章　僕たちの方法は応用できるだろうか

第１２章　外国語を通して学ぶもの

終章　　　英語とスペイン語による洋へのインタビュー

あとがき

『バイリンガル教育の方法』　中島和子・著　　アルク

私はこの本により、自分のバイリンガル教育に対しての、しっかりとした信念が確立できましたが、バイリンガルに育てたいと思っている方には必読書ではないかと思います。

バイリンガル教育において、何が重要なのかが理論的に書かれているにも関わらず、言語学が専門でない人にでも、わかりやすく、すぐに実行できる内容です。

言語学を学び、トロント大学で教授を務め、自分の息子をバイリンガルに育てながら、言語の研究を重ねてきた著者が、バイリンガルの問題を個々の子どものことばの発達を中心に、語学教師の立場から扱っています。

カナダのイマージョン方式によるフランス語教育が最も進んだバイリンガル教育だとして、理論的に述べられています。

＜目次＞

はじめに

第１章　　バイリンガルとは？

第２章　　子どもの母語の発達と年齢

第３章　　バイリンガル教育の理論

第４章　　家庭で育てるバイリンガル

第５章　　イマージョン方式のバイリンガル教育

第６章　　アメリカのバイリンガル教育

第７章　　海外子女とバイリンガル教育

第８章　　日系人子女とバイリンガル教育

第９章　　バイリンガルと文化の習得

第１０章　バイリンガル教育への疑問

第１１章　バイリンガル教育の外国語教育への貢献

おわりに

参考文献

『バイリンガルを育てる〜０歳からの英語教育〜』　湯川笑子・著　　くろしお出版

両親とも日本人の夫婦の１２年間のバイリンガル子育ての記録です。

著者は子育てしながらバイリンガル教育の研究で修士号を取得していますが、この本は言語にについての専門知識のない一般読者を対象に書かれています。

実際に子育てでの苦労話や母親の立場として心配や不安な事もふんだんに盛り込まれているので、現在子育てに奮闘中の人達にも共感でき、問題の解決法などもあり励まされます。

また同じような環境であっても、性格や性別が違うので、同じアプローチの仕方ではバイリンガルに育たなかったりするというような例もあり、私自身、学ぶことが多かった本です。

＜目次＞

はじめに

第１章　バイリンガル子育ての始まり

第２章　バイリンガル子育て順風満帆

第３章　４歳の壁、わがこの個性と学校不適応、そして私の迷い

第４章　ハワイより帰国、今度はスウェーデンへ

第５章　めまぐるしい言語シフト、スウェーデン行きの成果、帰国子女の言語能力

第６章　帰国後４年、英語学習の時期

第７章　バイリンガル子育ての成果

おわりに