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バイリンガルを育てる上で大切なこと

 

(1)二つのことばを使い分けなければならない状況を作り出すこと

2歳頃から12、13歳頃までのことばの形成期に使い分けをせざるを得ない状況に置かれると、子どもは必要に迫られて2言語でも3言語でも、自然に習得していきます。

この自然習得の力は子どもの年齢が高まるにつれて弱まるので、幼児から12、3歳頃までが『バイリンガル育成の適齢期』と言われています。

バイリンガルに育つかどうかは、親の努力もさることながら、その子どもの育つ言語環境が決め手になります。

ことばは、子どもを取り巻く大きな社会とその社会の大多数の成員が、使うことばの影響を一番に受けるので、放っておいても自然に育つことばと、放っておいたら自然に消えてしまうことばが出てきます。

まずは、その大きなことばの力関係を見極めて、その環境に自然に放置されては育ちにくいことばを、家庭や学校などの人為的努力で強めることによって、バイリンガルの基礎をつくることができます。

(2)子どもが初めて出会うことば<母語>をしっかり育てること

母語は子どもの土台となることばであり、第2、第3のことばの基礎となるものなので、バイリンガル教育をする上で一番大切であり、その努力は、まず家庭で始めなければいけません。

この母語の基礎の上に学校や年齢相応の課外活動上手に選び、海外体験を適時に加えることによってバイリンガルの基礎ができてきます。

『家で親が子どもの母語を意識して育てないと、社会性、情緒安定、知的な面の発達が遅れ、子どものことば全体の発達が阻止されたり遅れたりする。その上親子のコミュニケーションがうまく行かなくなり、アイデンティティの混乱が起こる。』<バイリンガル教育の方法 中島和子著 より引用>

(3)成長期の子どもの場合、長期的な構えで考えること

2言語以上のことばに触れて育つ子どもは、ある一時期だけに視点を据えて、それぞれのことばの力を測定してみると、どちらのことばもモノリンガルの子どもに比べると劣った結果になることが多いです。

子どものバイリンガル教育の問題は、どうしたら、そのような状況を乗り越えて2言語がよりよく発達するか、どのような教育的介入をすればマイナス影響を最小限に留められるか、年齢相応の学力が獲得できるかなど・・・長期的な構えで考えなくてはいけません。

(4)一人一言語を守ること

『子どもはある言葉を、それを話す人物と同一視する』<ヒロシ、君に英語とスペイン語をあげるよ 北村崇朗/光世著 より引用>

ある人が同じ子どもにいつも英語を話していれば、その子どもはその人と話す時には英語に条件付けられていき、別の人が、その子どもにいつも日本語を話していると、その子どもは、その人と話す時には日本語に条件付けられていきます。

この条件付けがしっかりとできれば、4ヶ国語でも同じ子どもに教えることができると言われています。

注意するべきことは、同じ人物がその子どもに向かっていつも同じことばで話さなければならないということです。もし、同じ人物が2つ、または3つのことばを同じ子どもに話すと、その子どもはどのことばの条件付けがうまくできず、言語能力、知的活動に混乱を引き起こします。

何ヶ国語も話す人達が多いヨーロッパの人達は、この条件が満たされているからだそうです。

(5)ことばの使い分けのルールを作ったら、その使い分けのしつけをきちんとすること

『2つのこどばに触れながら育つ子ども達は、周囲の大人のことばの使い分けがはっきりしていればいるほど、2つのことばがきちんと分化して育ちやすい。』<バイリンガル教育の方法 中島和子著 より引用>

でも、子どもにとっては2つのことばよりもひとつのことばの方が楽だから、自然に任せておいたら、子どもは楽な方のことばだけを使いたがります。だから、周囲の大人が徹底して使い分けを習慣化させていく必要があります。

(6)親は自分が一番自信の持てる言語を使うこと

親が自信の持てる言葉で子どもと接することは、子どもの成長にとってとても大事なことです。

母語は親子の絆を築き、母文化を与え、母文化へのアイデンティティを育てるためにも必要不可欠です。

(7)本の読み聞かせを日課にすること

本の読み聞かせはモノリンガルの子どもでも大切ですが、バイリンガルを育てる上では絶対に欠かせないものです。

『バイリンガルを育てたかったら、本好き、読書好きのこどもに!』というのが、海外で子育てをした母親達の経験に基づくモットーである。<バイリンガル教育の方法 中島和子著 より引用>

本好きの子どもに育てば、読み書きを覚えるためのモチベーションも高まりますが、子どもを本好きにするためには、生まれたときからの読み聞かせを日課にすることが一番です。

毎日、欠かさず読み聞かせることは大変なことですが、その努力は必ず報われます。

(8)新しいことばを覚えるということと覚えたことばを維持するという両面から考えること

『7〜8歳くらいまでの子どもには、2言語、2文化を習得しても、その維持がむずかしい。』<バイリンガル教育の方法 中島和子著 より引用>

忘れるということが子どもの脳の特性で、子どもは覚えるのも早い分、忘れるのも早いものです。その特性を十分に理解した上で、覚えたことばをどう維持していくかを、常に考えて実行していかなくてはいけません。

(9)2言語における接触量と接触の質を同等にすること

接触量の多い方のことばが優勢になるのは当然のことなので、もし2つのことばをバランスよく育てたいのならば、それぞれのことばとの接触時間のバランスがとれるような環境を大人が整えてあげる必要があります。

また接触時間だけでなく、接触の仕方や質によってもことばの発達は左右されるので、仕事を持つ母親は、短い時間でも集中して、質の高い交流をすることでバランスをとっていくという工夫が必要になります。

 

 

 

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