日本の言語療法より
息子が2歳半の頃のことです。 そんな息子をよく観察してみると、顔の筋肉や舌の使い方が上手くなくて、発音するのが難しかったりすると、口に出すのが億劫で発語が遅れている状態のようでした。 あと、話すことは好きなのですが、あまり言葉自体には興味がなく、話す人への注意力が掛けるような感じがありました。 そういう子どもの注意力をひきつける様な、興味を持って家で毎日できるようなものはないかと、色々な言語療法を探していたときに、ある日本の言語療法士の教室での言語療法に目が留まりました。 発音が悪い子どもや発語が遅れている子どもに、言葉カードを利用する方法です。 <赤字で書いた言葉カードを口の横に持って、その単語をゆっくり、はっきりと言う。> 簡単に言ってしまえば、それだけの事なんですが、『言葉に興味のない子どもは、人の話に集中しにくく、なかなか正しい発音を吸収できなかったりするので、言葉カードを口の横に持って言うことで「?」と思わせ、子どもの意識を話している人の口元に集中させることができるので、自然と口の形や舌の使い方が目に入る。』というようなことが書かれていました。 この時、絵カードでなく文字カードを使う理由は、絵カードだと絵の方ばかりに意識がいきやすいけれど、文字だけだと、わからないから余計に子どもの意識を口元に集中させることができるということでした。 この治療法の対象にしている子ども達と息子のケースと重なる部分が沢山あったので、もしかしたら、合うかもしれないと思い、その方法を試してみることにしました。 まず、言葉カードをあらかじめ何枚も用意しておいて、1日5分でもいいから〜と思って、時間を決めて向かい合って座って実践してみました。 しかし、息子は、そうやって勉強という感じで集中させようとすると嫌がって、わざとふざけてやらなくなってしまったので、自分なりに少し方法を変えることにしました。 リビングやキッチン等の数箇所に白紙のカードと赤のマジックペンを置いておき、普段の会話の中で新しい単語が出てきたり、『これ何?』って聞いてきたときに、すかさず、その単語を赤ペンで書き、口の横に持って、ゆっくりと何度か繰り返し発音してあげてから『はい。○○<単語名>、あげる。』と言って、子どもに渡します。 ポイントは、あくまでもさりげなく、勉強という雰囲気は出さないこと。教えるという気持ちも見せないこと。ただの遊びという感じで、たまに音程をつけて言ってみたり高い声、低い声なども入れてあげると笑って私の声色を真似しだしました。 そうすると暫くはそのカードを手に持って、自分で声を出して遊んでいます。そして、そのうちに、その辺に放ったらかしにされてしまうので、それを拾って、口の横に持って『はい、@@<単語名>。そこに落ちていたよ〜。』『はい、@@<単語名>。一緒に遊ぼうって。』などと、適当に言いながら、また手渡すことを数回、繰り返して、最後は子どもの目につきやすく、取り易い場所に1箇所に言葉カードをまとめて置いておきました。 この方法は2歳半頃から4歳頃までの間、毎日、日常の中で続けてきましたが、私自身、実質的に言語発達を促した方法だと実感しています。 最初は全く嫌がって逃げていたのに、少しだけその本人の個性に合わせてあげて、地道に毎日、家にいる間は可能な限り、カードに書いてあげていたら、そのうちに、私の方がたまに面倒になって、「まぁ1回くらいいいやぁ〜」と思って、書かないでいると、「マミー、書いて」としつこく言ってくるようになりました。 また、たまに気が向くと、そのカードを全部取り出して、自分で言いながら並べて、わからない単語は聞いてきたりするようにもなり、かなりの単語を覚えていきました。それは、ひらがな、カタカナなどの読み書きを教える前のことですが、単語単位で読みができるようになっていました。 |
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