ホーム

子どもの園について

絵本の森

おもちゃの山里

ことばの泉

リンク

 

 

1、多言語環境の子どもは言葉の発達が遅れるか?

 

私は言葉の専門家でもなければ、それについて研究してきた訳でもありませんが、言葉の発達の遅れた息子を持ち、言語発達に関する知識を色々と学び、あれこれと言語療法を日常に取り入れながら生活してきた、ここ数年間・・・

これは、同じ多言語環境の2人の子ども達を毎日、見てきて実感した話です。

私は上の息子の言葉が遅れていたのは4ヶ国語環境のせいかもしれないと思ってきました。

でも、同じ言語環境にいる下の娘が『バイバイ』『あっぱ』=はっぱ『たった』『ブーブー』等簡単な言葉を真似する様になった10ヶ月の頃から、どうやら上の息子の言葉の発達は彼自身の発達のペースであって決して多国語環境のせいという訳ではないんだなぁ〜と思い始めました。

そしてスピーチセラピストの指導や自分で調べたことなどを基にして、息子と娘を比較して分析してみました。

 

発語の遅れていた、上の息子

下の娘

指しゃぶり

指しゃぶりは3ヶ月前後の頃に少ししただけで、あとは、ほとんどしなかった。

2〜3ヶ月目から指しゃぶりを始め、3歳でもまだ指しゃぶりをしている。

3ヶ月頃からの

一人遊び

口周りを使った、一人遊びは、ほとんどしなかった。 口を鳴らしたり、舌を出したり、舌を唇に挟んで『プルプル〜』と鳴らしたり、舌を巻いたり、手の自由がきくようになってからは、手で唇をプルンプルンと叩くようにして音を出して楽しんでいたりと口を使った一人遊びが多かった。

物を口に入れるか

手にしたものを口に持っていったのは5〜6ヶ月頃の1時期のみで、あとはほとんどなかった。

とにかく、いつでも口の中に何か入っていないと気がすまないっていうくらいに、いつでも、何でも、口に持っていっていた。3歳近くになっても、まだ続いている。

どうらや、口の感覚が敏感で、なんでも口でその物の本質を確かめているよう。

人真似

人が言った言葉を繰り返さなかった。

芸らしきものを教えようとしても、真似することはなかった。少しづつ真似をし始めたのは4歳を過ぎた頃から〜。

10ヵ月目頃から、人が'言った言葉は何でも真似して繰り返した。芸も教えれば、すぐに真似した。3歳頃でも、条件反射のように、誰かの後を真似して言うことが多い。

でも、意味がわかっていないことも多い。

指差し

1才過ぎ頃から

1歳半頃から

絵本との関わり

生まれてすぐの頃から毎日、欠かさずに読み聞かせをしてきた。

1歳前から絵本に興味を持ち、1歳の頃は絵本が大好きで絵本漬けの毎日だった。

2ヶ月頃から絵本の読み聞かせを始めた。

乳児期は全く絵本には興味がなく、絵本に興味を持ち始めたのは1歳半過ぎで、2歳までには、絵本が大好きになっていた。

1歳代頃の理解力

言葉は出てないけれど、日常生活でも絵本の内容も理解している様子。 真似して言うけだけで、理解していないことも多い。

寝返り

3ヵ月半

3ヵ月半

お座り

5ヵ月半

6ヵ月半

ハイハイ

5ヶ月

5ヶ月

たっち

8ヶ月

8ヶ月

伝い歩き

8ヶ月半

9ヶ月

一人歩き

9ヵ月半

10ヶ月

息子が10ヶ月の頃を思い返してみると、私達が言った言葉をおうむ返しにする事はなく、何か芸らしき事を私達が何度も繰り返してみたりもしたけれど、結局、それを真似する事はほとんど、ありませんでした。

言葉らしい言葉はひとつも出ていなかったけれど、絵本は息子の方が大好きで1歳過ぎ頃から指差しもしていて、かなりの単語を知っている様子でしたが、発語の方が遅れて今に至っています。

その他の身体の発達に関しては、寝返り、お座り、ハイハイ、たっち、伝い歩きと、どれも大体2人とも同じぐらいにし始めていて
歩き始めたのも周りからは早いと言われる事の方が多かったです。

一方、娘の方はと言えば、1歳半時点で、絵本への興味は、まだ息子ほどではありませんでした。

生まれた時から指しゃぶりがとても激しい娘で、今も盛んです。

息子の方は3ヶ月の頃にたまにしただけでほとんど指しゃぶりはしませんでした。
息子もなんでも物を口に入れる時期はありましたが、いつもいつも〜という訳でもなくて、そんなに気を付けていなくても大丈夫だったのですが、娘の方は24時間、口に物が入っているんじゃないか〜と思う程、いつも何かを口にくわえながら、ハイハイして、他に口に入れれる物を物色している感じです。

それに加えて、舌を出して捻ったり、舌を巻いたりしながら音を出して遊んでいたり、唇に舌をはさんで『ぶるるるる・・・』と舌を小刻みに震わして音を出したり、唇をとがらせて音を出したり、唇を自分の手でプルン、プルンとたたくようにして音を出していたりと、口や舌を使った遊びが大好きでとても盛んなのですが、息子の方はこの類の遊びはほとんどしませんでした。
あえて言うなら、3歳頃に娘の真似をしてやる様になった感じですが、娘程には口まわりを使いこなせない様子です。

スピーチセラピストから指導されていた事、
『言葉を覚える過程は真似する事だから、言葉だけに限らず、動作を真似する遊びを日常化させるように〜』
『発語は顔の筋肉を使いこなせなければいけない。だから、顔の筋肉も使って鍛えなければ、ちゃんと発音するのは難しい』というのを思い出しました。なるほどその通りです。

娘の方には、極自然に、この2つとも備わっていたから言葉の習得が速かったけれど、息子の方は2つとも欠けていたので発語が遅れていたということです。

これらのことは、言語発達の為には必要なことのようです。

こう見てみると、言葉の発達の遅い早いは個人差による要素が大きくて、必ずしも多言語環境だからことばの発達が遅れるという事でもなさそうです。

ただ、1言語だけを話す子とその言語だけを比べて、語数が少ない、たどたどしい、間違いが多いというような意味でしたら、それは当然の事ですから1言語だけを話して生活している子達よりは、言葉を含めて生活を工夫して地道な努力を継続していかなくてはいけないでしょう。   <7/9・2002>

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送