1、多言語環境の子どもは言葉の発達が遅れるか?
私は言葉の専門家でもなければ、それについて研究してきた訳でもありませんが、言葉の発達の遅れた息子を持ち、言語発達に関する知識を色々と学び、あれこれと言語療法を日常に取り入れながら生活してきた、ここ数年間・・・ これは、同じ多言語環境の2人の子ども達を毎日、見てきて実感した話です。 私は上の息子の言葉が遅れていたのは4ヶ国語環境のせいかもしれないと思ってきました。 でも、同じ言語環境にいる下の娘が『バイバイ』『あっぱ』=はっぱ『たった』『ブーブー』等簡単な言葉を真似する様になった10ヶ月の頃から、どうやら上の息子の言葉の発達は彼自身の発達のペースであって決して多国語環境のせいという訳ではないんだなぁ〜と思い始めました。 そしてスピーチセラピストの指導や自分で調べたことなどを基にして、息子と娘を比較して分析してみました。
息子が10ヶ月の頃を思い返してみると、私達が言った言葉をおうむ返しにする事はなく、何か芸らしき事を私達が何度も繰り返してみたりもしたけれど、結局、それを真似する事はほとんど、ありませんでした。 言葉らしい言葉はひとつも出ていなかったけれど、絵本は息子の方が大好きで1歳過ぎ頃から指差しもしていて、かなりの単語を知っている様子でしたが、発語の方が遅れて今に至っています。 その他の身体の発達に関しては、寝返り、お座り、ハイハイ、たっち、伝い歩きと、どれも大体2人とも同じぐらいにし始めていて 一方、娘の方はと言えば、1歳半時点で、絵本への興味は、まだ息子ほどではありませんでした。 生まれた時から指しゃぶりがとても激しい娘で、今も盛んです。 息子の方は3ヶ月の頃にたまにしただけでほとんど指しゃぶりはしませんでした。 それに加えて、舌を出して捻ったり、舌を巻いたりしながら音を出して遊んでいたり、唇に舌をはさんで『ぶるるるる・・・』と舌を小刻みに震わして音を出したり、唇をとがらせて音を出したり、唇を自分の手でプルン、プルンとたたくようにして音を出していたりと、口や舌を使った遊びが大好きでとても盛んなのですが、息子の方はこの類の遊びはほとんどしませんでした。 スピーチセラピストから指導されていた事、 娘の方には、極自然に、この2つとも備わっていたから言葉の習得が速かったけれど、息子の方は2つとも欠けていたので発語が遅れていたということです。 これらのことは、言語発達の為には必要なことのようです。 こう見てみると、言葉の発達の遅い早いは個人差による要素が大きくて、必ずしも多言語環境だからことばの発達が遅れるという事でもなさそうです。 ただ、1言語だけを話す子とその言語だけを比べて、語数が少ない、たどたどしい、間違いが多いというような意味でしたら、それは当然の事ですから1言語だけを話して生活している子達よりは、言葉を含めて生活を工夫して地道な努力を継続していかなくてはいけないでしょう。 <7/9・2002> |
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