幼児からの漢字絵本について
『なんで、絵本って全てひらがなで書かれているんだろう?どうせ読むのは大人なのに、ひらがなだけで書かれていると読みにくくて・・・』 そんなことを感じたことはありませんか? <漢字を読む人達と、アルファベットを読む人達とでは使っている脳が違う>という話を聞いたことがありますが、同じ原理で、一文字だけでは何の意味も持たないひらがなを読む時と漢字を読む時に使う脳も違うのではないかと思うのです。 これは私自身が、常日頃、思ってきたことですが、私の中には、ずっと、いくつかの疑問がありました。 『大人が読みにくいものは、子どもにとっても読みにくいのではないのかな?』 <絵本好きの子どもをどうやって、本好きまで導いていこうか?> 絵本ではひらがなだけだったものが、児童書になり、少しづつ対象年齢によって漢字が混じってくる訳ですが、それまで「やま」だったものが、ある時を境に「山」と変わるよりは、初めから「山」としてあった方がずっと楽なのではないでしょうか。 例えば、ひらがなならば、かなり長いお話でも読めるくらいの読解力が付いていて、その年齢から、漢字変換をしていたのだとしたら、どれだけの数の漢字変換が溜まってしまっているのでしょう。その漢字変換の為に、今までひらがなでスラスラ読めていたものが、読みにくくなってしまったとしたら詰まらない思いもするでしょう。 これでは、話し言葉に比べて、書き言葉があまりにもお粗末な気がします。 以下は私がそんな風に考えるようになった経緯です。 実際には、漢字を教えることが目的ではなかったのですが、言葉が遅れていた息子に、2歳半頃から、漢字もひらがなも混ぜた正しい日本語の表記法の文字カードを使って言葉を教えているうちに、<詳しくはことばの泉の日本の言語療法よりに記してあります。>いくつか、子ども達、2人ともに共通していることがはっきりと出てきました。 それは、ひらがなやカタカナだけで書かれた文字よりも、漢字が入っていた方が、断然、覚えるのが速いということ、子どもにとっては、画数が多い、少ないは関係ないようで、決して、画数の多い漢字の方が難しいということはなく、覚えるのが速い漢字は具体性のあるものと本人に身近で興味のあることのようでした。 そんなことが見えてきた頃にグレン・ドーマン氏の<赤ちゃんに読みを教えるには>という本を読みました。 また、この本の中で、書き言葉に関して、私が体験して感じていたことが納得のいく形で論証されていて、しかも私の実感したことも、カードの大きさや使い方、方法、習得までの段階などの違いはあるけれど、このドーマン式でも同じように立証されていました。 そこで、漢字を使った遊びやゲームを考えたり、簡単なアルバム絵本を作ったりして、日常に取り入れてきました。 『ひらがなだけで書いた日本語を5〜6歳になるまで見せられ続けて育った子どもは、頭の中にひらがなだけが定着してしまいます。「山」は子どもにとっては「やま」ですし、「川」は「かわ」なのです。これは恐ろしいことです。せっかく幼児の頃から本に親しませるのならば、正しい日本語の表記法「漢字と仮名の交ぜ書き」で書かれた本を見せて育てたいものです。 目からうろこでした。確かにそうなんです。その通りなんです。 それにしても、なんで、それまで絵本に目が行かなかったのでしょう。 幸い子ども達は絵本が大好きで読まない日は1日足りともありません。 でも、全てひらがなで書かれている絵本がほとんどで、家でも、ひらがなだけで書かれた絵本を見せ続けてきてしまいました。実際に漢字が使われている絵本も限られています。 こうした手間を掛けたからと言って、『さぁ〜これなら読めるでしょ。読みなさい。』と子ども達に読ませるつもりは更々ありません。今までと同じく、子どもの方から『自分で読むから、もう読んでくれなくてもいい。』と言い出すまでは、何歳になってでも、読んであげるつもりです。 でも、やっぱり、絵本から本への移行がスムーズになるのではないかと、僅かな期待を持っています。 『うちはひらがなから先に教えているから・・・』 家でも50音は50音として別で、同時期に少しづつ教えていってますが、子ども達にとっては、別に大した問題でもないようです。
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